ずっと気になっていた高田大介さんの作品『まほり』を読了!
今作を読んでどう感じたか感想を書いていくよ(^^)
あらすじ
大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。
上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか?
ちょうどその村に出身地が近かった裕は、夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの飯山香織とともにフィールドワークを始めるが、調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。その村では少女が監禁されているというのだ……。代々伝わる、恐るべき因習とは? そして「まほり」の意味とは?
3.5/5.0
読んだきっかけ
この作品を読んだきっかけは芦花公園さんの作品を読んだことです
主に民俗ホラーを執筆されている芦花公園さんの作品を読んで、もっと民俗学をテーマにした小説を読んでみたいと思い、調べたところ『まほり』を見つけました!
このおどろおどろしい表紙を見た瞬間、ホラー好きの私の血が騒いだ!(実際はホラーではなくミステリでしたが・・・笑笑)
感想
本作は計496ページ、中身も民俗学の専門用語頻出、漢字ですら知識不足の私には難しいといった風で、完全に私にはキャパオーバーの作品でしたが笑笑
それでもストーリーが面白すぎて、ページをめくる手が止まらない!
中毒性の塊のような作品です!
主人公の母の戸籍が存在しない理由、幼いころに遭遇した和装の美少女、外界との交流を遮断した村、そして「まほり」の意味
それぞれの謎を解明しようと、主人公が膨大な古文書を読み解いていくと判明した真相には心底ぞっとしました
物語から得られる情報量も多く、大変勉強になりました
本作はフィクションのはずですが、物語の中に出てくる過去の日本各地での飢饉やそれに伴う、今では考えられない凄惨な行為は本当に起こっていたことだと思われます
想像することすら辛いような出来事で、知らないふりをしたくなるけれど、それでも知っておかなければいけない。私たちにも関係がある話だと思います
怖い物見たさというか、軽い気持ちで読みましたが
ただストーリーの面白さだけでなく、読んでよかったと思わされた作品でした!
好きなフレーズ
・歴史に分け入れば、そうした時代の無惨、時代の酷薄に迫ることになる。どこか、猟奇趣味めいた気味を帯びてくるのは普通です。そこで気が萎えたら美辞麗句の糖衣に包まれた偽の歴史を掴まされることになる
・なにか理不尽な政治的動揺の影響にさらされた時に、宗教というものは、それを合理化して内面化するような詭弁を必ず用意するものです。 ー中略ー 歴史の理不尽に翻弄される人心に、合理化した縁起、分かりやすい事の次第、を説いてやるということですよ。欺瞞ではあるかも知れまいが、筋の通った一つの説明、一つの解決をもたらすわけです。理不尽を理に落とす。それで構わないわけです
著者 高田大介さんの魅力
本作を読んだ後に知ったのですが、著者 高田大介さんは言語学者だそうで、とても納得させられました
というのも、本作で私が一番好きなシーンは主人公が言語学者の先生に「まほり」の意味について電話で聞く場面なのですが
この先生が淡々と、過去の知見から「まほり」という語について解説するシーンが本当に腑に落ちると同時に、ぞっとさせられるんです!
著者本人が言語に精通されているからこそ生み出される衝撃だと感じました
これはなかなか他の小説では味わえない
高田大介さんは小説家としてはデビュー作『図書館の魔女』で第45回メフィスト賞を受賞されています
こちらは未読ですがことばにまつわるお話だそうで、ぜひまた読んでみたいと思いました!
Tweets by toshokannomajoまとめ
高田大介さんの民俗ミステリ『まほり』は、次の展開が気になって一気に読み切ってしまえる中毒性の高い作品です
ただのミステリとはひと味違う、個性あふれる作品なので気になった方はぜひ読んでみてください(^^)
ここまで読んで頂きありがとうございます(^^)
他にも、面白かった作品を紹介しているのでぜひのぞいてみてください
コスパよく読書を楽しみたい方に
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