大島清昭さんの作品 中国呪術を題材としたホラーミステリー「地羊鬼の孤独」を読んだ感想 おすすめ本

今回は大島 清昭さん著「地羊鬼の孤独」を読んだ感想を紹介します!
怪しい呪術たっぷりでホラー好きにはたまらない作品でした(^^)

あらすじ

遺体の入った棺が、市内で次々に発見された。
突然現れた棺の中の全裸遺体。その内臓は模型に変えられていた。
動機の見えない一連の殺人を繋ぐものは、現場に残された中国妖怪「地羊鬼」の名前のみ。新米刑事・八木沢は、オカルト担当を自称する警部補・林原とコンビを組み捜査を進める。だが、過去の連続児童誘拐殺害事件、密室変死事件との関連が浮かびはじめ、事件の全容はもはや人間の手に収まらないものになっていた――。

評価 4.0/5.0

この話は桜が咲き乱れる小学校の校庭で奇妙な箱が見つかるところから始まります。
中には女性の全裸遺体。蓋には赤い文字で「地羊鬼」「弐」の文字。
そして後の解剖によって、遺体の心臓がえぐりとられて木製の心臓模型に入れ替えられていることが判明!

この猟奇殺人事件のために警察署では特別捜査班が結成され、新人の八木沢はベテラン女性警官の林原とタッグを組みます

この林原というキャラクターが面白い!
今まで担当してきた事件は怪しいオカルト絡みの事件ばかり
ただ、林原自身は幽霊の類いを全く信じず、事件の際には怪奇現象研究家の友人の知恵を借りて持ち前の観察力と推理力で事件を解決してきました

しかし、今回の事件は馴染みのない中国妖怪「地羊鬼」というキーワードや、わざわざ内臓を模型にすりかえたり、目立つ場所に死体を遺棄したりと犯人の目的が分からず苦戦

そして「弐」があるのなら当然「壱」もあるわけで・・・

八木沢と林原は、独自の視点から少しずつ犯人に迫っていくのですが、近づけば近づくほど増えていく怪奇現象が恐ろしい・・・(T_T)

この物語では中国妖怪「地羊鬼」だけでなく、人形や宝石、虫などを使った様々な呪術が出てきて犯人が色々な手段を使って呪ってきますww
これがおもしろい!
一個、謎が解けたと思ったら、またいつのまにか怪奇現象おきてるし

おそらくジャンルはホラーだと思うんだけどミステリー要素も強くて
主人公たちと一緒に小さな手がかりを集めながらこの殺人事件はどういうトリックで実行されたんだ?と考えさせられてそれも楽しかった!

ただ個人的にすこ~しだけ惜しかった点を挙げるとすると
結末が割とあっけなくて、黒幕がなぜ犯行に至ったのかとか殺人事件を起こすまでに人格が変わった理由はなんだったのかとかもうちょっと深掘りして欲しかったなぁ~と思いました

あと色んな呪術が出てくるけど、ストーリーの構成上、細かいところまでは書かれていないから呪術マニアとかの方からすると少し情報量が少なくて物足りなく感じるかも!

しかししかし、怪しい雰囲気を思う存分に楽しみたい方とか、ホラーは苦手だけど気になっているという方にはミステリー要素も強いこの作品はとてもおすすめ!

気になった方はぜひ読んでみてください(^^)

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